
実際に顧客が尋ねる質問
私はサポートキューの現場で働いているので、問い合わせ量がどこから来るのかを率直に話します。これまで見てきたストアの中で、印象に残っている話があります。1日500件以上の問い合わせを処理する複数ブランドを展開するECオペレーターは、受信トレイが実質的に同じ3つの内容の繰り返しだと教えてくれました。返金依頼、配信停止、注文追跡です。これは1つのストアだけの特殊な現象ではありません。WISMO(「注文はどこにありますか?」)がほぼ常にリストの上位を占め、返品・返金がそのすぐ後に続きます。

実践的な教訓は、会議でブレインストーミングして質問を考えるのではなく、FAQページを作るということです。直近数百件の問い合わせを取り出してグループ分けし、最も件数の多いグループにページへ掲載する内容を決めさせましょう。以下のカテゴリはほぼすべてのストアの受信トレイに現れるものなので、出発点として安全な骨組みになりますが、優先順位の調整は自社のカスタマーサービス指標に基づいて行うべきです。
優れたFAQ回答とはどのようなものか
例に入る前に、その構成について説明します。弱いFAQ回答は質問を言い換えてポリシーページへのリンクを貼るだけです。強い回答は会話を終わらせます。数多くの回答を読んだ結果、次の4つの要素を、この順番でまとめることに行き着きました。

- まず直接的な回答から。 はい/いいえ、または実際の数字です。「返金は営業日5〜7日で反映されます」のように。読み手に探させないことです。
- 正確な手順。 何らかのアクションが必要な場合は、それを明記します。番号付きで、簡潔に。
- 正式な情報源へのリンク。 返品ポリシー、追跡ページ、サイズ表など。名詞部分に1つだけリンクを貼ります。
- 人によるサポートが必要なタイミング。 イレギュラーなケース向けに、さりげない逃げ道を用意し、顧客が苛立って何度も更新ボタンを押さないようにします。
この構成は、後からAIカスタマーサービスチャットボットをページの上に導入する予定がある場合、さらに重要になります。ボットは、学習元のコンテンツと同じレベルの明確さしか持てないからです。曖昧なFAQを入れれば、曖昧なボットが出来上がります。
では例を見ていきましょう。そのまま流用し、実際のポリシー、期間、口調に置き換えてください。
配送・お届けに関するFAQ例
これは最も件数の多いカテゴリなので、抜け漏れのない回答にしましょう。ここでの回答はすべて、実際の最新の数字を示すべきです。
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| 注文はどこにありますか? | 発送されると、メールとSMSで追跡リンクが届きます。マイアカウント→注文履歴でいつでも状況を確認できます。国内配送のほとんどは発送後営業日3〜5日で到着します。48時間経っても追跡情報が更新されない場合は、こちらに返信いただければ配送業者に確認します。 |
| 送料はいくらですか? | 通常配送は$4.95、$50以上のご注文は送料無料です。速達便(営業日1〜2日)は$12.95です。正確な金額はお支払い前のチェックアウト画面に表示されます。 |
| 海外発送はできますか? | はい、40か国以上に対応しています。海外への配送は営業日7〜14日かかり、関税などの費用は購入者様のご負担となります。チェックアウト時にご住所を入力すると、リアルタイムの料金が表示されます。 |
| 追跡情報では配達済みとなっていますが、荷物が届いていません。 | ご不便をおかけし申し訳ございません。まずご近所や建物周辺をご確認いただき、24時間ほどお待ちください(配送業者が早めにスキャンする場合があります)。それでも見つからない場合は、注文番号とともにご返信いただければ、調査を開始します。 |
| 注文後に配送先住所を変更できますか? | 注文がまだ発送されていなければ可能です。注文番号を添えてすぐにご連絡ください。配送業者に渡った後は転送できませんが、荷物を取り戻すお手伝いはいたします。 |
WISMOの回答が3つの役割を果たしている点に注目してください。期待値の設定(3〜5日)、セルフサービスの手段の提供(アカウントページ)、そして人によるサポートへの導線です。この組み合わせが、「進捗はありますか?」というフォローアップを防ぎます。チャネルごとの対応をさらに詳しく知りたい方には、Shopifyカスタマーサービス戦略のガイドが良い参考になります。
返品・返金・交換に関するFAQ例
2番目に大きいカテゴリであり、曖昧な言い回しが最もフォローアップの原因になるカテゴリでもあります。期限、状態、返送料の負担者について具体的に記載しましょう。
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| 返品ポリシーを教えてください。 | 配達日から30日以内であれば、未使用でタグ付き・元の梱包の商品を返品いただけます。マイアカウント→注文履歴→返品から返品手続きを開始し、着払いラベルを印刷して発送してください。詳しいポリシーは[こちら]。 |
| 返金にはどのくらい時間がかかりますか? | 返品商品を受け取り検品後(通常営業日2〜3日)、ご購入時のお支払い方法に返金を行います。銀行により異なりますが、反映までさらに営業日5〜7日かかります。 |
| 返送料は自己負担ですか? | 不良品または誤配送の場合、返送料は無料です。お客様都合の返品の場合は、返金額から$5のラベル手数料が差し引かれます。 |
| 返金の代わりに別のサイズへ交換できますか? | はい。返品手続きの際に「交換」を選択し、新しいサイズをお選びください。返送商品が配送業者にスキャンされ次第、交換商品を発送しますので、二重に待つ必要はありません。 |
| 商品が破損して届きました。どうすればいいですか? | 大変申し訳ございません。写真と注文番号をお送りいただければ、返品不要で交換品の発送または即座の返金を対応いたします。 |
この交換に関する回答はもう一度見る価値があります。返金と交換のどちらを求めているかという意図の判別は、振り分けが最も難しいことの一つですが、これはまさに、顧客に自己選択を強いるのではなく、現代のサポート体制がメッセージ本文から検知できるようなニュアンスです。これを正しく判別できれば、返金(売上の損失)を交換(売上の維持)に変えられます。
支払い・割引・チェックアウトに関するFAQ例
配送に関するものより件数は少ないですが、影響は大きいカテゴリです。チェックアウトに関する質問に答えられないと、多くの場合、売上を逃してしまいます。
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| なぜカードが拒否されたのですか? | 多くの場合、請求先住所の不一致か、銀行が新しい加盟店として警告を出していることが原因です。住所がカードの登録情報と一致しているか確認するか、別の支払い方法をお試しください。それでも失敗が続く場合、銀行に電話すれば数秒で承認してもらえることがあります。 |
| どの支払い方法に対応していますか? | 主要な各種クレジットカードに加え、PayPal、Apple Pay、Google Pay、Shop Payに対応しています。$50以上のご注文では、チェックアウト時に後払い(Buy Now, Pay Later)もご利用いただけます。 |
| 割引コードが使えません。 | コードは大文字・小文字を区別し、他のコードと併用できません。有効期限が切れていないか、カート内の合計金額が最低条件を満たしているかご確認ください。それでも解決しない場合は、コードをお送りいただければ確認いたします。 |
| ここでカード情報を入力しても安全ですか? | はい。お支払いはPCI準拠の決済プロバイダーが処理しており、当社がカード番号全体を閲覧・保存することはありません。 |
| 割引コードを2つ併用できますか? | 1回のご注文につきコードは1つのみですが、特に明記がない限り、セール中の商品にもコードを適用いただけます。 |
注文変更・キャンセルに関するFAQ例
「間違えてしまった」というカテゴリです。スピードがすべてなので、回答には明確な期限を設定しましょう。
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| 注文をキャンセルできますか? | 発送前であれば可能です。マイアカウント→注文履歴でご自身でキャンセルするか、ご連絡いただければ当方で処理します。発送後は、返品として対応させていただきます。 |
| 既存の注文に商品を追加できますか? | 一度確定した注文をまとめることはできませんが、追加の商品をご注文いただければ、2件目の送料は返金いたします。両方の注文番号を添えてご連絡ください。 |
| 間違った商品を注文してしまいました。発送前に修正できますか? | すぐに注文番号を添えてご連絡ください。商品がまだ倉庫にある場合は交換します。発送済みの場合は、迅速な交換手続きを行います。 |
| 注文状況はどうやって確認しますか? | ご注文ごとに、確認メールに記載されたステータスページからご確認いただけます。またマイアカウント→注文履歴でもすべて確認できます。 |
商品・サイズ・在庫に関するFAQ例
購入前の質問です。これらにしっかり答えることは、問い合わせを減らすだけでなく、購入を迷っている顧客の背中を押すことでコンバージョンの向上にもつながります。
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| どのサイズを買えばいいかわかりません。 | すべての商品ページに採寸付きのサイズガイドがあります。サイズで迷う場合は、ゆったりとした着心地のために大きめのサイズをおすすめします。それでも不安な場合は、採寸値をお知らせいただければおすすめのサイズをご案内します。 |
| この商品はサイズ表記通りですか? | 当店の商品の多くはサイズ表記通りです。例外については各商品ページのフィット感の注記に記載しており、カスタマーレビューでもフィット感について触れられています。 |
| この商品はいつ再入荷しますか? | 商品ページの「入荷通知を受け取る」をクリックいただければ、再入荷した瞬間にメールでお知らせします。人気商品は通常2〜3週間以内に再入荷します。 |
| この商品の素材とお手入れ方法を教えてください。 | 素材とお手入れ方法は各商品ページの「詳細」に記載しています。簡潔に言うと、ほとんどの商品は冷水洗い・つり干しです。 |
| ギフトラッピングは対応していますか? | はい、チェックアウト時に$3.95でギフトラッピングを追加でき、お客様が書かれたメッセージカードも同封します。 |
アカウント・サブスクリプションに関するFAQ例
件数は少ないものの、根深いカテゴリです。サブスクリプションと配信停止に関する質問は、先述のオペレーターの上位3つに実際に含まれていたので、軽視しないでください。
| 質問 | 回答例 |
|---|---|
| パスワードをリセットするにはどうすればいいですか? | ログインページの「パスワードをお忘れですか」をクリックすると、リセット用リンクをメールでお送りします。セキュリティ上、30分で無効になります。 |
| サブスクリプションを解約するにはどうすればいいですか? | マイアカウント→サブスクリプション→管理からいつでも解約でき、電話は不要です。現在の請求期間の終了まではご利用いただけます。 |
| 解約の代わりにサブスクリプションを一時停止できますか? | はい、同じサブスクリプションページから最大3か月まで一時停止できます。再開前にリマインドをお送りします。 |
| 登録済みのカード情報を更新するにはどうすればいいですか? | マイアカウント→お支払い方法から更新できます。変更内容は次回のご注文に自動的に反映されます。 |
| アカウントは残したまま、マーケティングメールだけ停止したいです。 | どのメールの一番下にある「配信停止」リンクをご利用いただくか、アカウント内のメール設定を切り替えてください。注文通知は引き続き届きます。 |
実際にはどれくらい自動化できるのか
ここからが本音の部分です。これらの回答を書くのは最初のステップに過ぎません。本当の効果が出るのは、深夜2時に人の手を介さず何かが代わりに回答してくれるときです。この種の問い合わせは非常に反復的なため、ほとんどのストアはその大部分を自動解決できます。実際の数字を入力して、その規模感を確かめてみてください。
控えめな設定であっても、その数字は多くの人を驚かせます。これこそが、FAQの裏に本物の自動化を導入すべき理由であり、優れたEC向けAIサポートソフトウェアがチャットウィジェットの見た目の良さではなく、問い合わせ削減効果で評価される理由です。
本当に難しいのは、FAQ回答を最新に保ち続けること
40件のFAQ回答を書くこと自体は半日ほどの作業です。しかし1年後もそれが正しい状態を保っているかどうかは、静かに崩れていく部分です。価格が変わり、配送業者のSLAが遅れ、返品期限が30日から14日に短縮される、といった変化が起きると、「役立つはずの」FAQが自信満々に間違った情報を伝えることになります。古くなった回答は、回答が存在しないよりも悪い状態です。なぜなら顧客はそれを信じて、後で痛い目に遭うからです。
ここで「とにかくチャットボットを載せればいい」というアドバイスは破綻します。ヘルプセンターの記事だけで学習したボットは、その中にある古い記述もすべて引き継いでしまうからです。実際に機能し続ける仕組みは、公開済みのドキュメントだけでなく、解決済みの問い合わせからも学習し、チームが今どう回答しているかを常に反映します。あるお客様ははっきりとこう言っていました。ネイティブのヘルプデスクAIではなく当社を選んだ理由は、当社の仕組みがヘルプセンターのコンテンツだけでなく解決済みの問い合わせから学習する点だった、と。

自動化するかどうかにかかわらず、FAQを正確に保つためのいくつかの習慣を紹介します。
- アルファベット順ではなく、アクセス数順に見直す。 閲覧数上位5件のFAQが、全体の80%の閲覧を占めます。それらを四半期ごとに監査しましょう。
- 更新をポリシー変更に紐付ける。 運用チームが配送の締め切りを変更する際は、FAQの編集を「いつかやる作業」ではなく、同じチケットの一部として扱いましょう。
- ページが「すでに回答している」はずの質問に注意する。 FAQに掲載されているにもかかわらず、あるトピックが繰り返し問い合わせに現れる場合、その回答は不足しているのではなく、不明瞭なのです。書き直しましょう。
- 古くなった箇所の検知はAIに任せる。 今やツールは古くなったヘルプセンターのコンテンツを検知し、実際の問い合わせ履歴から修正案を作成できます。これは人が手作業で40項目を読み直すよりも優れています。
より広い戦略を知りたい方には、カスタマーサービス自動化のためのAIがワークフロー面をさらに深く掘り下げており、AIナレッジベースのメリットではコンテンツの鮮度という観点を扱っています。
ECサイトのFAQにeeselを試してみる
FAQ例を書き終えたら、eeselは誰も訪れないページに眠らせるのではなく、それらを実際に機能させるレイヤーです。FAQコンテンツ、ヘルプセンター、過去の問い合わせを読み込み、ストアフロント、メール、Slack、WhatsApp上でリアルタイムに回答します。またShopify、WooCommerce、Gorgiasと連携しているため、WISMOの質問に対してポリシーを繰り返すだけでなく、実際の注文状況を取得できます。
本当の差別化ポイントとして挙げたいのは、顧客と実際にやり取りする前に過去の問い合わせでシミュレーションできることです。これにより、どのFAQカテゴリをカバーしているか、どこにギャップがあるかを正確に把握できます。推測に頼る必要も、リスクのある本番導入もありません。料金は使用量ベースでシート課金はないため、WISMOの問い合わせが季節的に急増しても、請求額が季節的に急増することはありません。無料でお試しいただけ、導入もプロジェクトというよりは半日程度で完了します。
よくある質問
ECサイトのFAQページではどんな質問に答えるべきですか?
オンラインストアにはFAQをいくつ用意すべきですか?
自分のストア向けに良いFAQ回答を書くにはどうすればいいですか?
AIはECサイトのFAQに自動で回答できますか?
FAQページが古くなるのを防ぐにはどうすればいいですか?

Article by
Riellvriany Indriawan
Riell is a designer and writer at eesel AI with about two years of experience researching CX platforms, AI chatbots, and helpdesk software. She combines her design background with a sharp eye for how these tools actually look and feel in practice — making her comparisons unusually visual and user-focused.








