
Siit vs Risotto 一目でわかる比較
詳細に入る前に、比較のすべてを1つの表にまとめます。私は仕事として製品の AI エージェントを作っているので、機能のチェックリストよりも、これらのツールを実際に左右する2つの問いを重視します。つまり、エージェントは何に触れられるのか、そして回答はどこから来るのかです。表はそこから始まります。
| 項目 | Siit | Risotto |
|---|---|---|
| 主な役割 | 社内 IT + 運用サービスデスク | 社内 IT のティア1解決 |
| 主な利用面 | Slack + Teams(Teams も同格) | Slack(Teams 対応) |
| 料金 | 管理者ごと $23 / $45 / $89、年払い | 月額一律 $1,250、従業員200名未満 |
| AI の置き場所 | Pro プラン($89)のみ | 唯一の有料プランに含まれる |
| AI 課金メーター | なし(管理者ごとの定額) | なし(会社単位の定額) |
| エージェントが実行 | Okta、Google、JumpCloud、Jamf、Intune | Okta、Entra、Google、ランブック + MCP |
| ナレッジソース | Notion、Confluence、Slab | ドキュメント + 解決済み Slack スレッド |
| チケット履歴で学習 | しない | しない |
| 本番前のテスト | プレイブックの「simulate」ドライラン | ドライランの記載なし |
| レビュー | G2 で 29 件中 5.0 | G2 で 4 件中 4.8 |
| コンプライアンス | SOC 2 Type II、GDPR | SOC 2 Type II、Enterprise では HIPAA |
| 社外の顧客に対応 | しない | しない |
要点は、これらは同じ社内 IT の課題を解決する近い親戚であり、選択はチームの形と予算モデルで決まるということです。一方にあって他方にない機能で決まるわけではありません。各製品を見たうえで、直接比べていきます。
Siit とは
Siit はパリに拠点を置く AI IT サービスデスクで、従業員がすでに使っているチャットツールの中で動きます。誰かが Slack で Figma へのアクセスやパスワードリセットを頼むと、Siit はそれを構造化された追跡可能なリクエストにし、運用チームは Web ダッシュボードから対応し、最上位プランでは AI エージェントが Wiki から回答するだけでなく、ID システムで変更まで行います。
IT 専用ではありません。Siit 自身の料金 FAQ には「人事、財務、法務、ファシリティを含むすべての社内業務をサポートする」とあり、カテゴリ別のサービスカタログと、入社日や勤続記念日で発火する HRIS 連動のトリガーでそれを裏付けています。同社は StageOne と Seventure が主導する $5M のシードラウンドを調達しており(会社概要ページでは €3.1M と表記、同じラウンドを2つの通貨で示したもの)、ロゴの並びは欧州のスケールアップ寄りです。Monzo、Qonto、Mistral、Doctolib、Swile などです。G2 のレビュー基盤も同じ方向を指しており、これは約150名から2,000名の従業員を支える1〜5名の運用チーム向けのツールです。
Siit がこのカテゴリの大半と異なるのは、エージェントが返信を下書きするだけでなく、実行する点です。詳しくは後述しますが、まず枠組みを押さえてください。Siit は2つのうちより広く深いプラットフォームで、IAM と MDM に本物の強みがあります。
Risotto とは
Risotto は Y Combinator Winter 2024 の企業で、HelloSign の元エンジニア3人が創業しました。創業の経緯で最も示唆的なのは、共同創業者の Alex Confer が起業前に Gusto と Dropbox で IT を率いていたことです。Risotto は彼が欲しくても見つけられなかったツールで、その点がよく表れています。IT の席に座り、同じパスワードリセットのチケットに100回目の溺れ方をした人が作ったソフトウェアなのです。
訴求は Siit より狭く、鋭いものです。フル機能のサービスデスクプラットフォームではなく、Risotto は従業員がすでにいる場所、つまり Slack のスレッドで回答し、リクエストを最初から最後まで解決するか、すべての文脈を添えてエスカレーションします。新しい Mac での 1Password のセットアップを頼むと、Okta の手順を案内し、途中で確認し、うまくいったと確認された時点で完了させます。

Siit がプラットフォームである一方、Risotto は自分が何者かを正確に知っている焦点の絞られた製品です。素早いティア1の解決とアクセス権付与で、約1日で稼働します。この焦点は本物の強みであり、同じカテゴリでありながら2つのツールが違って感じられる理由のすべてです。
料金:段階制と固定の下限
これは両者の最も鋭く、最も確認しやすい違いで、「どちらが安いか」ではなく構造の違いです。
Siit は管理者1名あたり月額で年払いの3段階で、重要なのはすべての AI 機能が $89 の Pro プランにあることです。それより下では、Siit は AI のない、Slack と Teams の有能なチケット管理ツールです。Risotto は会社単位の一律料金で、従業員200名未満の企業は月額 $1,250、AI 込みで、それを超えると見積もりのみの Enterprise です。

両方をわかりやすく並べます。
| プラン / 利用面 | 価格 | 課金単位 | 主な制限 |
|---|---|---|---|
| Siit Essentials | 管理者あたり月額 $23、年払い | 管理者ごと | AI なし。Slack + Teams のチケット管理、SSO、SOC 2 |
| Siit Standard | 管理者あたり月額 $45、年払い | 管理者ごと | ワークフロー、ナレッジベース、分析、100以上の連携を追加。AI は依然なし |
| Siit Pro | 管理者あたり月額 $89、年払い | 管理者ごと | すべての AI エージェント、SLA 管理、アクセス自動化 |
| Siit Custom | 見積もりのみ | 管理者ごと | エンタープライズ連携、専任サポート |
| Risotto Startup | 月額 $1,250、年払い | 会社単位の一律料金 | 従業員200名未満。30日間の無料トライアル。AI 込み |
| Risotto Enterprise | 見積もりのみ | カスタム | HIPAA、カスタムブランディング、専任 CSM を追加 |
| Risotto(AWS Marketplace) | ユーザーあたり $90 | ユーザーごと、12か月 | 別の購入経路 |
強調したい点が2つあります。第一に、どちらも解決ごとの AI 従量メーターがありません。これは2026年のこのカテゴリでは実に珍しく、どちらにとっても朗報です。想定外の利用料金を請求されることがありません。第二に、モデルは有利になる相手が逆転します。Siit の管理者ごとの段階制は小規模な運用チームにとって大幅に安く、Pro の管理者4名のチームは 4 x $89 = 月額 $356 です。Risotto の固定の下限は、多用や多数のエージェントに報いますが、30名規模の IT 専用導入でも満額の $1,250 を支払うことになり、この規模では割高です。
2つのモデルがこれほど違うため、単純な価格比較は誤解を招きます。ご自身の数字を入れてみてください。
分岐点は実在します。Pro の管理者が約14名になるまでは Siit のほうが安く、それを超えると Risotto の固定の下限が優位になります。2名の IT チームなら Siit のモデルのほうが優しく、複数部門にまたがって多くのエージェントを動かす成長中のサポート組織なら、Risotto の一律料金は席を増やしても罰を与えません。
AI が実際に何をするか、何に触れられるか
どちらのツールもチャットでティア1のリクエストを解決し、どちらも優れています。違いは到達範囲と精度にあります。
Siit は私なら実行エンジンと呼ぶものです。その IT Agent は答えるだけでなく、プレイブック内で名前付きのアクションを呼び出します。/okta reset password、/okta add to group、/jumpcloud reset user mfa、/google add to group、/slack add user to channel などで、それぞれ自動実行か承認待ちかを設定できます。ID 面では Okta、Google Workspace、Microsoft Entra ID、JumpCloud に書き込み、デバイス管理では Jamf、Intune、Iru に届き、ワンクリックでのロックとワイプができます。モデルの提供元として OpenAI と Mistral も明示し、EU の顧客はデフォルトで Mistral に振り分けます。
Risotto も同じ領域の多くをカバーしますが、G2 のレビュアーが最も絶賛する機能であるアクセス権付与を軸に据えています。誰かが Slack でツールを頼むと、Risotto はポリシーを確認し、承認を回し、ID プロバイダー経由でアクセスを付与し、監査証跡を残します。管理者が Okta コンソールを開く必要は一切ありません。

その背後にはランブックがあります。オンボーディング、オフボーディング、自動で失効する期限付き付与のための、ノーコードで平易な言葉のワークフローです。Risotto は一時的なアクセスを付与しすべての操作を記録するため、チームが別途 ID ガバナンスツールで購入していた機能の一部を取り込めます。ネイティブコネクターのないものは Risotto の MCP サポート経由で到達でき、これは Siit も公開しているのと同じプロトコルです。
正直な評価は次のとおりです。Siit の公開アクションリストのほうが長く、MDM の到達範囲(Jamf、Intune)も深いため、エージェントに ID とデバイスをまたいだ IT 管理者の作業 をさせたいなら Siit がわずかに優位です。Risotto のアクセスフローは、狙う1つの仕事に対してより洗練され、主張がはっきりしており、自動失効する付与は賢いセキュリティ上の配慮です。G2 のあるレビュアーは、Risotto のアクセスロジックが「熱心すぎる」ことがあり、ユーザーがガイダンスだけを求めているのに付与へ飛びつくと指摘しました。若い製品が磨いていくタイプの角といえます。
それぞれの回答の出どころ
どんな AI ヘルプデスクについても私が最初に尋ねるのがこの問いです。回答の品質はナレッジソースの直接の関数であり、2つのツールは正反対の賭けをしました。

Siit のエージェントはドキュメントからのみ回答し、ナレッジベースのドキュメントにはコネクターがちょうど3つ挙げられています。Notion、Confluence、Slab です。すっきりして予測しやすい反面、Wiki が Guru、SharePoint、GitBook にある場合は、コンテンツを作り直すかロードマップを待つことになります。しかも同期はリアルタイムではなく、あるレビュアーは新しい Notion ページが「検索可能になるまで時間がかかる」と述べており、Siit 自身の「コンテンツはスケジュールに従って更新される」という記述と一致します。
Risotto は Notion、Confluence、Guru、SharePoint、Google Drive のドキュメントから取り込みますが、巧みなのは解決済みの Slack 会話も読む点で、DM の中にしかなかった回答が再利用可能になります。その上に自己更新ループが重なります。AI が解決できなかったことを人間が解決したら、スレッドに書き込み中の手の絵文字を付けるだけで、Risotto がそれをナレッジベースに取り込みます。これはあらゆる AI ナレッジベースの最難関の問題、つまり誰もドキュメント整備の雑務を担わずに最新に保つことを、静かに解決します。
どちらもチケットアーカイブ全体では学習せず、本番前に過去のチケットを再生して解決率を予測することもできません。Siit には「simulate」モードがありますが、これは実際のキューをバックテストするのではなく、ご自身が書いたプレイブックをドライランするものです。Risotto のドキュメントにはドライランの記載自体がありません。AI がライブのリクエストに回答する前に、自社の履歴に対してテストするというこの空白こそ、私が両ベンダーに迫りたい点であり、ガイド付きデモでは答えられない、まさに解決率の問いです。
チャネル、セットアップ、チケット管理ツール
どちらも Slack ネイティブで、既存のチケットシステムを置き換えるのではなく、その上に重なります。ただし、実際の分岐点が1つあります。Microsoft Teams です。
Siit は Teams を真の同格として扱います。Teams ボットは全プランでチェックされ、独自の連携を持ち、同じエージェントを動かします。これは本来あるべき姿より珍しく、Teams 中心の企業にとって本物の強みです。G2 のレビュアーはこう明言しました。「Siit は Teams の皮をかぶった Slack ツールではない。フォームはチャット内で正しく表示され、承認もスレッド内でそのまま行われる。」Risotto も Teams をサポートしますが、設計と評判の面で Slack が先なので、会社が Teams で動いているなら Siit のほうが安全な選択です。
チケット管理の面では、考え方は似ています。Risotto は、既存のシステムを剥がすのではなく、その上に重なるのだと強調します。リクエストが Slack ではなく Jira から来た場合、Risotto はそのチケット内で直接回答し、解決内容が同期されます。

Siit も幅広い連携でそれを実現しており、公開ディレクトリには「100以上」という主張に対して36のネイティブページが載り、HRIS の一覧は異例に深く(BambooHR、HiBob、Rippling、Workday、さらに Lucca、Payfit、Personio、Factorial といった欧州の名前)あります。どちらもオープン API と、Claude、Cursor などの MCP クライアント向けの MCP サーバーを公開しています。連携の幅そのものでは Siit が先行し、狭い仕事に対する価値実現の速さでは Risotto の「1日で稼働」が売りです。
実際のユーザーの声
どちらのレビュー基盤も小さいので、ここにあるものはすべて確定した合意ではなく、初期のシグナルとして扱ってください。
Siit は G2 で 29 件のレビューで 5 点満点中 5.0 です。小規模で一部が招待で集められた基盤での満点は、満足している初期顧客層のシグナルであって、規模の証明ではありませんが、公然と不満を抱いている人がいないことの妥当な目安でもあります。レビューは、認めている点でこそ最も役に立ちます。たとえば次のものは、Wiki への根拠付けと、その実際の限界を同じ息で述べています。
「うちの Notion はかなり成熟していて、AI エージェントは賢く振る舞おうとせずそこを参照します。回答は元のドキュメントにリンクされるので、皆が信頼し始めます。VPN や SSO に関するいつもの質問の約3分の1は、もう私のところに届きません。」
Siit に最も一貫した不満はレポート機能です。「部門別に解決時間を切り分けたかったのに、結局スプレッドシートにエクスポートした」という声で、G2 自身が抽出した短所にも現れます。
Risotto は 4 件のレビューで 4.8 で、G2 自身が「購入の判断材料を提供するにはレビューが足りない」と示しています。称賛は具体的で、素早いセットアップとアクセスフローです。2名のチームで600名規模の組織を運用しているレビュアーは、数字で示しました。
「Risotto のおかげで、過去3か月でほぼ16000時間の人手を節約でき、チケット量の25%をエスカレーションなしで処理しています。」
Risotto 自身の導入事例も、疑わしい「80%」ではなく同じ範囲に収まっています。Gusto は 55% を自動解決、Jobber は収益テック向けキューで 41% と報告しています。これらはベンダーの数字なので最良のケースですが、25〜55% あたりに集まっていることが、切りのいい主張よりも信じやすくしています。

どちらを選ぶべきか
両方を見たうえで、境界線ははっきりしており、どちらかへの批判ではありません。異なる賭けをした、よく作られた2つのツールです。

Siit を選ぶのは、会社が Slack と同じくらい Microsoft Teams を使っている場合、エージェントに Okta、Google、Jamf で実際の IAM と MDM の変更を実行させたい場合、スタックが欧州系の場合(その HRIS の一覧が手がかりです)、または管理者ごとの料金が固定の下限よりはるかに優しい小規模な運用チームの場合です。Siit は2つのうちより奥深い ITSM プラットフォームで、公平な管理者ごとのメーターが最大の論拠です。
Risotto を選ぶのは、Slack 中心の米国スタートアップで、悩みがちょうどティア1の解決とアクセス権付与にあり、最も一定で予測しやすい請求を望み、過去の Slack スレッドから AI に回答を引き出させる発想が気に入った場合です。Risotto はより焦点が絞られ、価値実現が速い製品で、その自己更新型のナレッジループは本当に巧みです。
どちらも解決しない点が1つあります。チームを圧迫しているキューが 従業員 ではなく お客様 なら、どちらも不適切なツールです。どちらも設計上、社内専用だからです。それはまったく別の領域です。
eesel を試す
ここは、私自身の仕事があなたの時間に値する唯一の場所であり、直接対決ではなく領域の違いの話です。Siit と Risotto はあなたの従業員に回答します。eesel はあなたのお客様に回答します。
チームを圧迫しているキューが社内 IT ではなく顧客向けのサポートなら、eesel はその仕事のために作られた AI チームメイトです。Slack の中で動く代わりに、すでに運用している Zendesk、Freshdesk、Gorgias、Front といったヘルプデスクに参加し、過去のチケットとヘルプセンターから学習し、既存のワークフローの中で顧客との会話を下書きまたは完全に解決します。

そして、両ツールで私が指摘した1つの空白、つまり自社の履歴で先に AI をテストする方法がないという点こそ、eesel が力を入れているところです。eesel のチームメイトがライブのお客様に1件でも回答する前に、実際の過去のチケット数千件でシミュレーションを実行し、解決率と、実際に送っていたであろう返信そのものを確認できます。社内の問い合わせ削減のために Slack と Teams でも動作し、人、スクリプト、Claude Code のようなコーディングエージェントが、ダッシュボードと同じワークスペースに対して操作できる完全な eesel CLI と MCP の面もあります。料金は件数に応じた月額固定の1本で、100クレジットの無料プランがあり、eesel を無料で試し、実際に成果が出始めたら1段階上げることができます。
ただし、あなたの課題が本当に Slack や Teams での社内 IT であるなら、Siit も Risotto も、どちらもよく作られた焦点の絞られたツールで、IT リーダーにはどちらの無料トライアルでも喜んでお勧めします。
よくある質問
Siit と Risotto ではどちらが安いですか?
チームの構成次第です。小規模な運用チームでは Siit の管理者ごとのモデルが有利で、Pro の管理者4名なら 4 x $89 = 月額 $356 です。Risotto の月額 $1,250 という固定の下限は、エージェントが多い場合や件数が多い場合にお得になりますが、ごく小さな IT 専用の導入には割高です。この記事の計算ツールで、ご自身の数字を比較してください。
Siit と Risotto は Microsoft Teams で使えますか?
どちらも Teams に接続できますが、Siit は Teams を一級のチャネルとして扱います(Teams ボットは全プランに含まれ、Slack の見た目を借りただけではありません)。会社が Slack ではなく Teams を中心に使っている場合は重要です。Risotto も Teams に対応していますが、設計と評判の面で Slack が先です。
Siit や Risotto は過去のサポートチケットで学習できますか?
どちらも、回答エンジンをチケットアーカイブ全体で学習させることはありません。Siit の AI は Notion、Confluence、Slab からのみ読み取ります。Risotto はドキュメントと解決済みの Slack 会話を読み取ります。過去のチケットから学習し、本番前にそれでシミュレーションできる AI をお求めなら、顧客向けの対応キューには eesel のようなツールをご検討ください。