
「Front用AI」が実際に意味すること
2026年初めのある時期、「Frontを使っていますか?」という一つの質問が、私たち自身の商談を止めていた。中堅規模のデータ・オブザーバビリティ企業のチームがいくつか、サポートキューでAIを動かすこと自体は気に入っていたのに、業務全体がFront上で動いているという壁にぶつかった。私たちはまさにその壁を取り除くためにFront連携を作り、その過程で想像以上に詳しくFrontのAIスタックを学ぶことになった。だからこれはマーケティングページの書き直しではなく、両方の方法の内側から書いたものだ。
まず解消しておくべき混乱がある。「Front用AI」は、誰に作業をさせたいかによって実際には2つの異なる製品を指す。

ネイティブの方法は、Frontがすでに料金を払っている受信トレイにAIを組み込むというものだ。 サードパーティの方法は、Frontに接続してキューの作業を代わりに行う別のAIエージェントだ。どちらも正当な選択肢であり、得意なこと、課金方法、信頼できるようになるまでの速さが異なる。それぞれを見ていこう。
方法1:Frontのネイティブ AI
Frontは自社のAIスイートを「人間が主導するAI」として打ち出しており、その位置づけは妥当だ。ほとんどの機能はエージェントを置き換えるのではなく、支援するために作られている。会社設定から機能を一つずつ有効にでき、パネルを見れば提供内容の全体像が一目でわかる。

それぞれの機能を平易な言葉で説明すると次のとおりだ。
- Autopilotは自律型エージェントだ。メール、チャット、Slackにまたがってリクエストをエンドツーエンドで解決し、連携したシステムをまたぐ多段階の作業を調整する。Frontはこれを複雑な顧客対応業務向けと位置づけており、単なるFAQの削減にとどまらず、最大70%のリクエストを解決すると謳っている。
- Copilotはリアルタイムのエージェント支援だ。会話履歴と連携システムに基づいて返信を提案し、トーンと長さを書き直す。
- Topicsは会話履歴を読み取り、顧客が実際に問い合わせてくる理由を明らかにする。
- Smart QAは、あなたが定義したスコアカードに基づいて、人間とAIどちらの返信も自動的に採点する。
- Smart CSATは、アンケートを送らずに顧客満足度を推測する。
- Compose、Translate、Summarizeはすべてのプランに含まれ、それぞれ1日あたりチームメンバー1人につき200アクションが上限だ。
FrontのAdmin Copilotは支援体験の好例だ。自社の設定について質問すると、引用元付きで回答してくれる。優れた社内アシスタントがそうするように。

ネイティブの方法が高くつくところ
Front AIの正直な落とし穴は課金の形にある。席自体がすでに高価格帯で、本当に欲しいAIはその上にアドオンとして乗ってくる。Frontは席単位のプラットフォームで、Starterは25ドル、Professionalは65ドル、Enterpriseは105ドルで、いずれも席あたり月額、年払いだ。
| プラン | 価格 / 席 / 月 | 席の上限 | 含まれるAI |
|---|---|---|---|
| Starter | 25ドル | 最大10席 | Topics;アドオン利用可 |
| Professional | 65ドル | 最大50席 | アドオン利用可 |
| Enterprise | 105ドル | 上限なし | Copilot、Smart QA、Smart CSATが含まれる |
ここにAIを積み重ねてみよう。Autopilotはどのプランでも会話1件あたり0.05ドルから始まる。Copilotは席あたり20ドル、Smart QAは席あたり20ドル、Smart CSATは席あたり10ドルだ(QAとCSATのバンドルは25ドル)。計算してみると、ちょっとした奇妙な現象が浮かび上がる。

65ドルのProfessionalにCopilot、Smart QA、Smart CSATを足すと席あたり115ドルになり、この3つがすでにバンドルされている105ドルのEnterpriseより高くなる。 支援系AIの全面採用を計画しているなら、まずEnterpriseの価格を確認してほしい。いずれにせよAutopilotは別建ての利用料金のままだ。これはFrontを批判しているわけではなく、単に表を上から下まで読むことで実際にお金が節約できるケースというだけだ。
先に進む前に、公平のために一つ触れておきたい。Autopilotにはシミュレーション機能がある。本番稼働前に自動化をシミュレーションにかけることができる。ただし何をシミュレーションするかが肝心だ。それはあなたが書いたシナリオであって、自社の過去のチケットの再現ではない。この違いは見た目以上に重要で、まさにそこに2つ目の方法の強みがある。
方法2:サードパーティのAIエージェントを追加する
Front用にAIを追加するもう一つの方法は、サポートキューを処理するために作られたエージェントを導入し、App Store経由でFrontに接続することだ。これは私たちが最もよく知っている方法だ。なぜならeeselはまさにそうしたエージェントの一つだからだ。
そのメンタルモデルはチャットウィジェットとは異なる。eeselは、共有されたFrontの受信トレイの中に本物のAIエージェントとして加わる。会話を読み、返信を下書き・送信し、非公開コメントを追加し、タグを更新し、チームメンバーへ振り分ける。これらは人間のエージェントが行うのと同じアクションだ。別の受信トレイもなければ、自社サイトに取り付けたウィジェットもない。

サードパーティの方法がすぐに信頼できるようになる理由は、そのナレッジがどこから来るかにある。接続すると、eeselは自動的にFrontのナレッジベース記事、過去の会話、定型返信を取り込み、さらにConfluence、Notion、Google Docsといったオプションのソースも取り込める。手動でのトレーニングもデータのラベル付けも不要だ。eeselは30分未満のセットアップ時間と、初週から85%以上の平均Tier-1解決率を公表している。
設定はルールエンジンを組み立てるのではなく、望むことを言葉で説明することで行う。どの会話を処理するか、どう書くか、いつエスカレーションするかを平易な言葉で伝えればいい。

もう2点、名前を挙げておく価値がある。これらはキュー処理の方法が安心に感じられる部分だからだ。
- 既存のFrontの設定を尊重する。 eeselは、ルーティングルール、割り当てルール、SLAポリシー、ワークフローを置き換えるのではなく、それらと並行して動作する。複数のFront受信トレイを接続し、受信トレイごとに独自のナレッジベースとトーンを持つ別々のエージェントを動かすこともできる。
- 自社の履歴に対してシミュレーションする。 実際の顧客に触れる前に、eeselは過去のFrontの会話を再生し、チームが実際に送った内容と比べて自分の回答を採点する。そのため、デモ当日の勘ではなく、精度についての本物の測定値が得られる。それは「うまくいくと思う」を、上司に見せられる数字に変えるタイプのテストだ。
ネイティブかサードパーティか:どちらがあなたに合うか
どちらの方法も万人にとって正解というわけではない。ここに、観点ごとの正直な比較を示す。
| 観点 | Frontネイティブ AI | サードパーティエージェント(eesel) |
|---|---|---|
| 動作場所 | Frontの受信トレイの中 | Frontの受信トレイの中、エージェントとして |
| 得意なこと | 複雑でチーム横断的な多段階業務 | 迅速なTier-1の削減と返信の下書き |
| 過去のチケットから学習するか | Autopilotはまず設定が必要 | 接続時に自動で学習 |
| 稼働前のテスト | 自分で書いたシナリオをシミュレーション | 実際の過去の会話に対してシミュレーション |
| 課金単位 | 席単位 + Autopilotは会話単位 | 処理した会話単位 |
| 目安価格 | 席あたり25〜105ドル + アドオン | 会話あたり0.40ドル、席課金なし |
| セットアップ | 製品内で設定 | App Storeから30分未満 |
サポートが部門をまたぐ深いワークフローで動いており、その仕組みにネイティブでAIを組み込みたいなら、Front自身のAutopilotはまさにその世界のために作られており、CopilotはEnterpriseにおける強力な支援レイヤーだ。優先度が、繰り返し発生するTier-1の質問を素早く解決すること、コストを人員数ではなく処理量に連動させること、そしてまず自社のチケットでテストすることであれば、サードパーティの方法のほうが近道であることが多い。
この2つは互いに排他的ですらない。多くのチームは自社のエージェント向けにCopilotを有効にしたまま、キューの最前線はサードパーティのエージェントに任せている。
実際の数字で見るコスト
定価は実際の請求額を覆い隠してしまうので、ここでは小規模チームの規模で計算した例を示す。
Professionalで5人のエージェントによるFrontサポートチームを運用しており、本格的な支援AIに加えて自律型エージェントも導入したいとしよう。Professionalの5席は月額325ドルだ。5席にCopilot、Smart QA、Smart CSATを追加すると、Autopilotの会話が1件も発生する前に月額およそ575ドルになる。この時点でEnterprise(5席×105ドル=525ドル、アドオン込み)の方が安いベースとなり、Autopilotの会話料金はどちらの場合も上乗せされる。
これを従量課金の方法と比較してみよう。eeselは処理したFrontの会話1件あたり0.40ドルを請求する。1件の会話は、やり取りのメッセージ数に関係なく1つのタスクとして扱われ、プラットフォーム料金も席単位の料金もない。同じチームがこのエージェントを通じて月に1,000件の会話を処理すれば400ドルになり、Frontに6人目のエージェントを追加してもその金額は変わらない。注目すべき単位は課金対象そのものだ。eeselは解決した件数ではなく処理した会話単位で課金するため、定義の中に隠れた予期せぬ乗数はない。
どちらのモデルも抽象的に「安い」わけではない。ネイティブの方法は人員数に応じて拡大し、従量課金の方法はチケット数に応じて拡大する。自社のチームが実際にどう成長するかに合った指標のほうを選んでほしい。
Front用eeselを試す
Frontの受信トレイに加わり、Tier-1のチケットを片付け始めるエージェントが欲しいなら、それはまさにFront用eeselが作られた目的そのものだ。Front App Storeからインストールし、過去の会話やヘルプセンターから学習させ、レビュー用の下書きモードから始めれば、信頼を積み上げる間もチームが主導権を保てる。

私が挙げたい一番の差別化ポイントは、自社の実際のFront履歴に対するシミュレーションだ。エージェントが誰かに返信する前に、チームがすでに対応したチケットをどう処理していたかを、実際に送った内容と比較したスコア付きで確認できる。無料で試すことができ、セットアップは30分未満で完了し、Frontにすでにあるルーティング、SLA、セキュリティの設定も尊重する。
よくある質問
FrontにAIを追加するにはどうすればいいですか?
Frontには組み込みのAIがありますか?
Front AIの料金はいくらですか?
FrontのTier-1サポートに最適なAIエージェントは何ですか?

Article by
Alicia Kirana Utomo
Kira is a writer at eesel AI with a Computer Science background and over a year of hands-on experience evaluating AI-powered customer service tools. She focuses on breaking down how helpdesk platforms and AI agents actually work so that support teams can make better buying decisions.








