
「Devin Fusionの料金」が存在しない理由(代わりに何を見るべきか)
Fusion単体の価格表を期待してここに来たなら、まず頭に入れておくべき整理はこれです。Devin Fusionはハーネスであって、モデルでもプランでもありません。Cognitionは2026年6月29日にこれを発表し、同日にDevin内でプレビュー版として提供を開始しました。Fusionは、すでに契約しているプランの裏側で動作し、タスクのどの部分をどのモデルに処理させるかを決定しています。
つまり、実際に価格を見るべきなのはDevin本体であり、そのうえでFusionが料金の下にある利用量のメーターをどう動かすかを理解する必要があります。この記事もその順番で進めます。まずは固定のプラン料金、次にFusionが縮小しようとしている変動コストです。

Devinの料金一覧(2026年)
devin.ai/pricingから取得した現行の全プランです。セルフサーブプラン(Enterprise以外の全て)はトークンベースのクォータ制で動作し、EnterpriseはACUベースで動作します。
| プラン | 価格 | メンバー数 | 同時セッション数 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | 1 | 最大10 | 軽めのクォータ、限られたモデル選択、無制限のインライン編集+Tab補完 |
| Pro(人気) | $20/月 | 1 | 最大10 | フロンティアモデル(OpenAI、Claude、Gemini)、無料のSWE-1.6、Devin Cloudエージェント、API価格での追加利用購入が可能 |
| Max(新登場) | $200/月 | 1 | 無制限 | Proの全機能+大幅に高いクォータ |
| Teams | $80/月の基本料金+フル開発者シート1つあたり$40/月 | 無制限 | 無制限 | Proの全機能+チーム共同作業、管理ダッシュボード+分析、優先サポート |
| Enterprise | 営業へお問い合わせ | 無制限 | 無制限 | SAML/OIDC SSO、VPCデプロイ、エンタープライズ向け管理機能、専任サポート。ACUで課金 |
この表には表れていない、知っておくべき点がいくつかあります。
- 旧価格が据え置かれるケースがあります。 2026年3月の変更以前からProまたはTeamsを契約していた場合、$15/月のProと**$30/シートのTeams**が引き続き適用されます。詳細はCognitionの移行FAQを参照してください。新規契約者は表に記載の料金が適用されます。
- SSOはEnterpriseに移動しました。 シングルサインオンはかつてTeamsのアドオンでしたが、現在はEnterprise専用機能です(既存のTeams SSO利用者は据え置きです)。
まず計画に織り込むべきなのは、ティア間の価格差が急激に上がることです。ProからMaxへのジャンプは10倍で、その差はほぼクォータの余裕分だけであり、新機能ではありません。

Fusionがコスト構造をどう変えるか
ここからが、あなたの請求額に関わってくる面白い部分です。Cognitionの主張は、ほとんどのエンジニアリング組織が、彼らの言葉を借りれば「あらゆるタスクに最も高価なモデルを使うことで金を燃やしている」というものです。Fusionの解決策は2つのエージェントによる構成です。計画立案、あいまいさの解釈、最終レビューを担うフロンティアのメインエージェントと、機械的な作業(コード探索、広範な編集、テストの作成、lintの修正)を担う安価なサイドキックです。メインエージェントは委任と監督を行い、サイドキックがひたすら作業をこなします。

その成果はタスクあたりのコストに現れます。Cognition自身のベンチマークであるFrontierCode Extendedでは、品質スコアと並べると金額は次のようになります。
| 構成 | 品質スコア | タスクあたりの平均コスト |
|---|---|---|
| Fusion + Fable 5 | 57.6 | $3.00 |
| Fable 5(medium) | 57.0 | $5.12 |
| Opus 4.8(high) | 48.8 | $3.24 |
| Fusion | 47.9 | $2.38 |
| GPT-5.5(high) | 44.8 | $3.64 |
| GLM-5.2 | 43.0 | $2.70 |
注目すべき実際の比較は、Fusionの**$2.38/タスクとGPT-5.5の$3.64**、Opus 4.8の**$3.24**です。品質スコアはまさにフロンティア勢の水準にあります。ここから「35%安い」という主張が出てきています。

正確性のために触れておくべき注意点が一つあります。最も目を引く行、41%の節約を示すFusion + Fable 5は、現時点では購入できません。Fable 5へのアクセスは、米国政府の指令により2026年6月12日に停止されており、Cognitionの投稿時点でも復旧していませんでした。したがって、(Fable 5を含まない)35%という数字こそが、今日実際に使えるモデルに基づいた数字です。
課金の単位:クォータ、トークン、ACU
ここが多くの人がつまずく部分であり、「Devinは実際いくらかかるのか」という問いへの本当の答えでもあります。課金の世界は2つに分かれており、どちらに該当するかは契約プラン次第で完全に決まります。
セルフサーブプラン(Free、Pro、Max、Teams):トークンベースのクォータ。 2026年3月以降、これらのプランにはトークン単位で計測される日次および週次の利用枠が含まれます。クレジット単位ではありません。安価なモデル(SWE-1.6やオープンソースモデルなど)は消費が少なく、無料モデルはクォータを一切消費しません。含まれるクォータを使い切った場合、Pro/Max/Teamsユーザーは元となるモデルのAPI価格で課金される追加利用分を購入して継続できますが、Freeユーザーはリセットを待つだけです。
Enterprise:ACU。 Enterprise契約はAgent Compute Unitsで計測され、Cognitionはこれを「推論の使用量と選択されたモデルに応じて変動する」エージェントの作業量の指標と定義しています。どれだけのACUが付与され、1ACUあたりいくらになるのかは契約ごとに設定されており、Cognitionは1ACUあたりのドル金額をどこにも公開していないようです。「アカウントチームにお問い合わせください」という扱いです。
この不透明さこそ、Devinの料金に対して最も繰り返される不満です。あるユーザーはHacker Newsで率直にこう述べています。
"ACU are entirely too opaque/confusing/complicated. The entire description of them is shrouded in mystery... what does 'the few ACUs required to keep the Devin VM running' mean?"
実践的な見方としては、プラン料金は氷山の一角にすぎないということです。実際に請求額を左右するのは、その下にある変動層、つまりセルフサーブでの超過利用分のトークン課金と、Enterpriseでのアクです。Fusionの役割は、フロンティアモデルをlint修正のような作業に無駄遣いしないことで、その水面下の部分を小さくすることです。

実際にかかる費用:2つの具体例
抽象的なティア表だけでは予算を立てにくいので、ここでは現実的な2つのシナリオを紹介します。
個人開発者、中程度の利用。 $20/月のProプランを契約するとします。フロンティアモデル、Devin Cloudエージェント、無料のSWE-1.6がカバーされ、Fusionがそれらを自動的にルーティングします。日次/週次のクォータ内に収まれば、$20が請求額の全てです。大きくフロンティアモデルに依存するタスクを頑張って回すと、API トークン価格での追加利用に踏み込むことになり、忙しい月は$20に加えて、たとえば$30〜$60程度の超過分が乗ることもあります。Fusionは、その超過額をもっとひどい数字にしないための存在です。
5人チーム。 Teamsでは、基本料金$80にフル開発者シート1つあたり$40が加算されるため、5シートなら$80+(5×$40)=$280/月が追加利用分抜きの金額になります。これが予測可能な下限であり、チームがフロンティアモデルを多用するセッションを並行して走らせると、その上に変動層が乗ってきます。自分のチームのシート数で以下の数字を試算してみてください。
Devin Fusionは料金に見合う価値があるか
正直な答えは、何を任せるか次第です。Fusion(そしてDevin全般)は、規模が大きく機械的でパターンの多い作業、つまりメインエージェントが監督しながらサイドキックが安価にこなせるまさにその種のタスクで最も力を発揮します。Cognitionによれば、社内でマージされたPRの88%がFusionの自動ルーターだけで駆動されたとのことで、この会社自体も実体を伴っています。2026年5月には評価額$26Bで10億ドル超を調達しています。うまく噛み合う場面では、ユーザーは実際に満足しています。
"IMO it's the best tool for AI generating features if you know what you're looking for, have patterns to follow, etc. I suspect the context they build about your project helps a ton."
一方で料金が痛手になるのは、判断力を要する作業や、暴走するセッションの場合です。Devinを気に入っている同じレビュアーたちも、それが脱線することを指摘しており、利用量メーターの上での脱線はコストがかさみます。
"Once the ACU consumption hits around 40 or 50, Devin really starts to lose the plot... I usually have to kill the session and start a completely fresh one."
つまり価値の計算式はこうなります。Fusionはうまくいく場合のコストを確かに引き下げますが、エージェントが暴走して予算を食い潰すうまくいかない場合までは直してくれません。導入を検討しているなら、Cursorの料金、Windsurf(現Devin Desktop)、OpenAI Codexの代替と比較し、ティアを選ぶ前に私たちのCognition AIレビューまとめで世間の評判にも目を通してみてください。ティアがどう変遷してきたかの全体像については、Cognition AI料金ガイドでACUの歴史をより深く解説しています。
サポートの現場でも、AIコストを適正化する
フロンティア価格を、安価なモデルでもこなせる作業にまで払うのをやめる、というFusionの根底にある発想は、コードではなくカスタマーサポートという領域ではありますが、eeselでのAIコストの考え方とまったく同じです。eeselはライブのサポートキューでAIエージェントを稼働させており、私たちが席数課金ではなく成果に応じた課金を採用している理由は、Fusionがサイドキックにルーティングする理由と同じです。小さなモデルでも十分に解決できる、対応が楽な60%のチケットにまでプレミアム料金を払うべきではありません。
違いがあるとすれば、サポートの場合、リスクはトークン代の暴走ではなく、自信満々な口調のボットが実在の顧客に誤った回答をしてしまうことです。だからこそ、eeselのすべての導入は、まず過去のチケットに対してシミュレーションを行い、実際に顧客に触れる前に解決率とコストを確認できるようにしています。この記事全体と同じ発想でAI支出を検討しているなら、私たちの成果ベースの料金体系も同じ「簡単な作業に払いすぎない」というロジックで作られています。eeselを無料で試す。










